PLuS2010 FINAL

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メッセージ

1998年、MASH大阪は、近畿のゲイ・バイセクシュアル男性を対象にHIV/性感染症の予防を啓発する活動を開始しました。商業施設を中心とするゲイコミュニティとのネットワークを作り、オリジナルのコンドームや啓発資材のアウトリーチを展開し、また行政がMSMに向けた施策に取り組むことへの働きかけを進めてきました。そして、PLuS+は多くの人が集って企画し、多くの参加者を集め、たくさんの情報を発信してきました。HIVをテーマにした大型企画イベントは日本で唯一のものと思われます。
近畿地域ではエイズを発症してからHIV感染が判明するMSMが未だ増えていますが、厚生労働省研究班との協働による調査からは、HIV検査を受ける人の割合が増え、また予防行動も向上していることが示されています。コミュニティの多くの人たちがアイデアを寄せて取り組むこの集まりは、HIVを考えるきっかけを提供し、HIVと共に生きていることを意識する場となっています。今年は、PLuS+ファイナル。この10数年間にMASH大阪やPLuS+実行委員会がしてきたことをさらにHIV感染対策として活かすことができるような施策の展開が、次のステップとして望まれています。
市川 誠一(名古屋市立大学看護学部教授/厚労省エイズ予防戦略研究・研究リーダー)

7回目の『PLuS+』開催、おめでとうございます。関西で1番、いや日本で1番といっていい完成度の高いこのイベントに、Badiは第1回目から参加をさせてもらっています。このイベントがここまで成功したのは、AIDS予防啓発イベントとして国からしっかりサポートを受けているということはもちろん、秋風が爽やかな10月開催、堂山から程近い居心地のいい扇町公園という場所、会場の設備や司会をプロにまかせる(途中からですが)といった無理が少ないところによることが大きいのではないでしょうか? 今でも忘れられないのが、会場のイベントが終了し、真っ赤な夕暮れの中、手をつないで堂山に向かうカップルの愛らしさ。仲良く連れ添う2人組を見ながら、こんな瞬間を間近に感じさせてくれる大阪って、なんて素晴らしいんだろうと感動しました。全てが心地いい『PLuS+』を、また来年も味わえることを切に望みます。 健太郎(Badi編集長)

世界的な規模でHIV感染者・エイズ患者が増加しているなか、わが国でもHIV感染者・エイズ患者数は、毎年前年を上回る勢いで増加しています。大阪市におきましても同様に増加傾向にあり、感染経路別では男性の同性間性的接触によるものが7~8割を占めています。
このような状況のもと、エイズについての正しい知識を広く、的確に普及させることにより、感染を予防して、さらにHIV感染者・エイズ患者に対する偏見・差別の解消につなげていくため、公共のスペースである公園を会場に、ゲイやバイセクシャル男性の方々を主要な対象として、様々な趣向をこらした予防啓発事業である「PLuS+ FINAL」を実施してまいります。
エイズのまん延を防ぐためには、私たち一人ひとりがエイズに対する正しい知識を持ち、その知識に基づいて行動することが大切です。大阪市の財政は厳しい状況にありますが、今後もエイズのまん延を防ぐため、検査機会の確保・充実をはじめとした取り組みをより一層進めてまいります。
寺川 和彦(大阪市保健所長)

英国のLGBTパワーを紹介した『ゲイマネーが英国経済を支える!?』という拙著を上梓した08年に招待してもらい、舞台で雑談などさせていただきました。そのとき扇町公園で見た、地元のおっちゃんや子連れのおかあちゃんたちとオサレな若い衆が同じ空間で同じように和む風景に、英国とは違ったゲイライトの可能性を感じたものです。『PLuS+』は今回でひとまず一区切りを向かえるということですが、あの風景の続きが、イベントという括りから開放され、もっと大きな空間で見られることを期待してます。
入江 敦彦(作 家)

自分のすぐそばにあるのに、遠いこと。遠いことのように思えるけど、身近なこと。HIVやAIDSとかはそういうもんだと思う。でもそれが身近なものだと分かってしまえば、手を伸ばした所に予防法も対策もある。それは小さいけれどもとても重要なこと。そしてそれがあれば心配しないで生きていける。PLuS+は、楽しい毎日を過ごすために、ちょっと手を伸ばしてみるような、そういう感じのお祭りなのかな、と。皆さん、楽しいお祭りの一日を過ごしてください。
畑 智章(写真家)

僕は、HIVはすごく身近な病気なんだって、たくさんの人にもっと知って欲しい。HIVの事にもっと理解をもって欲しい。HIV陽性者との普通の暮らしの中で、HIVはうつりません。
PLuS+に参加することで、そういったHIVやその他の性感染症について、すこしでもたくさんの知識や理解を持って帰ってもらえたらと思います!ただの楽しいイベントなんかじゃない、HIVの事を知るきっかけになるイベントだから。
PLuS+も今年でファイナルなので、楽しんでねー!
KAZU(PLuS+ FINAL 表紙モデル)

堂山町は4つの商店街、たくさんの飲食店、ホテル、カラオケ店、ライブハウスなどを抱える、24時間眠らない街。訪れる人が安心して遊べるよう、今年から自主的な防犯の取り組みとして、23の団体で構成するキタ歓楽街、それに行政と連携して「青色パトロール」をはじめました。昼間は登下校の子供たちの安全を守るため、夜はひったくりや車上ねらいを防ぐため、町内会でパトロールしてるんです。その甲斐あってか、大阪市は「ひったくりワースト1」を返上できそうなんですね。官におまかせではなく、自分たちでできることは自分たちでやる。これはPLuS+の精神とも相通ずるのとちがいますか。
野口 功(堂山町 町内会長/キタ歓楽街環境浄化推進協議会会長)

私はセクシュアルなファンタジーをフィクションとして描くことを自分のテーマとし、そしてフィクションという虚構の世界と現実の世界は、明確に分離したものだと考えています。よって私の作品には、世間においてアモラルとされるであろう要素がふんだんに登場し、同時に、そこにセーファーセックスの概念は存在しません。私にとって虚構と現実の境界線とは、決してグラデーションになってはいけないものであり、何か一要素だけでも現実の世界に配慮してしまえば、それは私の信じるフィクション世界の有り様そのものを、根底から覆すことになります。そんな私が、HIV/AIDSについて何を語れるかというと、それは自分でも疑問です。しかしそんな自分でも、何らかの形で少しでも、現実のHIV/AIDSの問題に取り組んでいる方々にお力添えできるのなら、それは私自身にとって大きな喜びです。PLuS+ FINALにリスペクトを込めて。
田亀 源五郎(ゲイ・エロティックアーティスト)

PLuS+に参加させていただくのは今回が実ははじめてだったりします。 日々の日常生活の中でそれぞれが皆それぞれに過ごしてる中で(いつも通り)では出会う事のない事、人、考え方があるということは頭ではわかってるつもりでいても実際に自身、実感する事というのはないように思います。PLuS+はそれをバーチャルではなく実体験として受け、それによって色んな事を改めて考えたり、初めて気付いたりできるんではないでしょうか。ワタクシも今から非常に楽しみにワクワクさせていただいております。
Hossy(Drag-Queen)