MASH大阪の理念

事業の目的は

 MASH大阪の目的は、大阪地区のゲイやバイセクシュアル男性(MSM=Men who have sex with men)に対し、HIV/STIの感染を予防するために働きかけ、彼らにおけるセクシュアル・ヘルス(性的健康)を増進させること。HIVはエイズを引き起こすウィルス、STI(Sexually Transmitted Infections)はHIV感染を含め、主にセックスで感染する病気全般(性感染症)を指します。MASH(Men And Sexual Health)という名もこの目的にそって付けられました。

 大阪地区におけるHIV発生動向を見ると、1997年から感染している人が急激に増えています。しかもそのうちの半分以上がゲイ・バイセクシュアル男性です。最新の調査によると、大人の男性のうちゲイ・バイセクシュアル男性の占める割合は1.2%。人口比からいうと少数派に属するゲイ・バイ男性がHIV感染者の半分以上を占めているということは、彼らの性的な健康が危機に瀕していることを物語っています。彼らに、こうした危機的状況を伝えたうえで、それをどう乗り越えるか、その方法を提示するのが私たちの仕事です。

私たちのクライアント

 大人の男性の中に占めるゲイ・バイセクシュアル男性の割合から単純に計算すると、大阪府にはおよそ3万人から5万人のゲイ・バイ男性が住んでいると考えられます。彼らが大都市に集中する傾向を考え合わせると、実際にはこの数倍に及ぶのは間違いないところです。これだけ多くの人々全部をクライアントとして想定するのは非現実的なので、私たちは堂山、ミナミ、新世界にあるバー、ショップ、ハッテン場などの商業施設を利用する人々を主なクライアントと位置づけています。彼らがHIV/STIに関してどの程度正確な知識を持っているか、どのくらい安全なセックスをしているか、どのくらい抗体検査の場所を知っているか等を調査したうえで、情報が不足している人、HIV/STIはよそ事だと思っている人に向けて予防に必要な情報を提供し、安全なセックスに向けて彼ら自身の行動を変えるよう働きかけること、これが私たちの仕事です。

予防の必要性

 STIに感染すると私たちの生活は大きな変化を余儀なくされます。特にHIV感染は今のところ決定的な治療法がないため、いったん感染すると生涯つきあわなければならない病気です。感染していることが分かったら、それまで頭に描いていた将来の計画をぜんぶ書き直さなくてはならなくなる、そんな病気です。またエイズを発症した場合には、生活の質が著しく脅かされることは避けられないのです。ほんのちょっとした頭と行動の切り替えでこうした病気に罹ることが避けられるとしたら、たとえそれがおせっかいに見えようと、予防に向けて働きかけていこう、これが私たちの考え方です。

 社会的コストの面からも予防は重要です。HIVに感染した人が健康な状態を維持するために必要な薬のコストは年間1人当たり200〜250万円。MASH大阪の2006年度予算はおよそ2000万円でしたから、薬価に換算すると8〜10人分にすぎません。予防事業が効果的に行われると、その分、社会全体がエイズに関して払うコストは小さくなります。

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